― 伸栄商事グループ ―
伸栄商事グループでは、2025年3月11日に、グループ会社含めた全拠点の従業員を対象に、東日本大震災からの記憶を未来へ繋ぎ、防災・減災への意識を高めることを目的として、講師をお招きし講演会を開催いたしました。
講師の熱意あふれる講演内容と、講演を聞いた社員からのアンケート調査結果をあわせてご報告いたします。
伸栄商事グループは、2023年より、東日本大震災で津波が到達した岩手県陸前高田市において、「津波到達ライン」に桜並木を植樹する「認定NPO法人 桜ライン311」の活動を応援しています。
この活動は、津波の恐れがあるときに、その桜より内陸部の高い場所に避難するよう後世に伝承していくという重要な取り組みです。この度、震災から14年を迎えるにあたり、社員一人ひとりが改めて震災の教訓を学び、防災・減災について深く考える機会とするため、認定NPO法人 桜ライン311の代表理事である岡本翔馬氏をお招きして、「17,000本の桜に託す願い」と題した講演会を開催する運びとなりました。
講演会では、まず岡本氏より桜ライン311が設立された背景、活動内容、そして17,000本の桜に託す願いについて語られました。東日本大震災において甚大な被害を受けた陸前高田市で、「これだけの被害は出なくて済んだのではないか? 守れる命はあったのではないか?」「次の『いのち』を守るために」、津波の最大到達地点に桜を植えるという構想に至ったと説明されました。
震災当時の陸前高田市の人口、死者・行方不明者数、家屋の損壊状況といった具体的な被害状況を共有いただき、ただ復興が進む一方で、震災の記憶や教訓が風化しているのではないかという懸念も示されました。
講演は、「災害について考える」というテーマに移り、自然災害を「自分ごと」として捉えることの重要性が強調されました。日本は年間降水量が多く、4つのプレートが入り組んだ上に位置するため火山の保有数も多く、世界的に見ても自然災害のリスクが非常に高い国であるという現状がデータで示されました。特に都市部においては人口密度が高いため、一旦災害が発生すると被害が指数関数的に拡大する危険性が指摘されました。
防災・減災という観点からは、「防災は自然災害による被害を防ぐ」こと、「減災は自然災害による被害を減らす」こと、という明確な違いが説明され、被害をゼロにすることが難しい現状において、減災の考え方が重要であることが述べられました。
また、「命を守るための3のキーワード」として、血液(3秒)、空気(3分)、保温(3時間)、水(3日間)、食料(3週間)という人間の生命維持に必要な時間軸が示され、日頃からの備えの重要性が説かれました。
地震への備えとしては家具の固定、エマージェンシーホイッスルの準備、自宅避難のための備蓄(ローリングストック法、カセットコンロ、簡易トイレ、バッテリー)などが具体的に紹介されました。
講演の最後には、ハザードマップの確認、緊急伝言ダイヤルの活用といった、「その日に備えるために」具体的な行動が提案され、「今を生き切る」「生きてればこそ、なんとかなる」という力強いメッセージで締めくくられました。
講演後、参加した社員を対象にアンケート調査を実施いたしました。以下に、主な意見や感想をご紹介いたします。
■ 今後取り組むべき防災対策について(一部抜粋)
「オフィスの棚の固定や、転倒防止対策が必要だと思います。」
「防災備蓄品の使用方法のレクチャーや、ハザードマップの確認などをワークショップ形式で実施することで、社員の防災意識を高められると思います。」
「避難経路や近くの避難場所について、定期的に案内があると良いと思います。」
「通勤途中のハザードマップや避難経路についても把握したいと思いました。」
「定期的に防災に関する講演会を開催してほしいです。」
■ 会社が取り組む社会貢献活動などに対するご意見・ご感想(一部抜粋)
「津波到達地点に桜を植樹し、震災の記憶を後世に伝えるという活動は、非常に意義深く、心に響くものがありました。」
「スムージーの購入が社会貢献活動につながると改めて感じました。」
「会社として社会貢献活動を行っている事は社員としても誇らしいです。」
「まずは現状を知ることが大切だと感じました。会社が積極的に活動していただけるので、日常生活の中で社会貢献活動を意識する機会が増えました。」
「具体的な事例や実践的な対策について知ることで、防災・減災に対する準備の重要性を改めて実感しました。今後は『ローリングストック』という方法を実践したいと思います。」
岡本氏の講演は、東日本大震災の悲劇と教訓を改めて深く認識させられるとともに、未来に向けての希望となる桜ライン311の活動への共感を呼び起こすものでした。社員からのアンケート結果からも、防災・減災への意識が高まったこと、そして伸栄商事グループが取り組む社会貢献活動への理解と共感が深まったことが伺えました。
伸栄商事グループは、2023年より桜の苗木の寄付、そして植樹ボランティア活動を継続して行っております。これは、「すこやかなる美と共に築く未来への架け橋」という「さくらロード2030プロジェクト」の理念に基づき、このつながりや結びつきを大切にし、すこやかで美しい未来を共に築くことを目指すものです。
今回の講演会を機に、社員一人ひとりが防災・減災への意識をさらに高め、日々の生活の中で具体的な行動に移していくこと、そして、桜ライン311の活動をはじめとする社会貢献活動への理解と参加意欲を深めていくことを期待しています。
今後も地域社会に貢献し、サスティナブルな社会の実現を目指して、息の長い震災復興支援活動を継続してまいります。
自然災害はいつ、どこで起こるかわかりません。大切な人を守るために、今一度、防災・減災について考え、皆さまご自身の備えを見直し、行動するきっかけとなれば幸いです。
植樹ボランティアプロジェクト
(経営企画部)岩本