
Project Story 02
今ある商品に
新たな価値を創造する
ドクターオーラル ホワイトニングパウダー
開発秘話・リニューアルストーリー



株式会社エクロール 商品企画部 係長
企画開発業務とは?
商品の企画開発と一言に言っても内容は様々で、世にないアイデアを創出する商品化もあれば、今ある商品に新たな価値を創造することも企画開発の重要な業務です。化粧品の企画開発は、一見華やかな業務のように見えますが、企業として品質と法令を遵守しながら、価値創造を現実的な商品として形にするという、実は非常に地道な作業の積み重ねから成り立っています。アイデアを形にするまでには数多くのマルチタスクとスケジュールを並走させ、専門的な知識をもって期日までに全てのタスクをパズルのように組合せて完成させるという思考と推進力が求められます。
Dr. Oral ホワイトニングシリーズとは?
「Dr.Oral」は美しく白い歯になることで笑顔とコミュニケーションを増やしたい、そんな想いから生まれたオーラルケアブランド。「ホワイトニングパウダー」は“業界初”『卵殻アパタイト※1』を高配合、100%天然由来の美白ケアの粉ハミガキ粉です。
※1ヒドロキシアパタイト(清掃剤)
発売年月 | 2017年5月発売 → 2025年2月リニューアル発売 |
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主な販路 | バラエティストア、ドラッグストア、全国の生活協同組合ほか |
売上数 | シリーズ累計販売個数150万個突破/ 2024年3月末時点シリーズ累計メーカー出荷数 |
Dr.Oral ホワイトニングパウダー リニューアルの裏話


Dr.Oralシリーズは、2017年の発売から約7年半を経て初のリニューアルを実施しました。商品訴求をパワーアップさせるだけでなく、愛用者や社内の声、取引先バイヤーからの要望を加味した、真価を問われる企画開発案件でした。
発売当初は、卵殻由来のアパタイト配合の粉歯磨き自体が目新しく店頭でのオーラルケアはまだ小規模で、開拓の余地がありましたので、今までにない黒いパッケージのオーラルケア商品は店頭でも目を引き市場のニーズの拡大の波にも乗り、Dr.Oralシリーズの売上は順調に伸張していきましたが、ブランドが認知されるにつれ競合品も増え、生き残りをかけた商戦が店頭で繰り広げられるようになってきました。
オーラルケア市場における認知度向上とその地位を維持拡大するためには、さらに愛用者を増やし、競合他社にはない独自性を持たせることが課題となります。
今回のリニューアルでは、卵殻由来のアパタイトの良さはそのままに、他社では真似の出来ない独自成分「バイオ3Dアパタイト®」を原料メーカーと共同開発し、使い心地や使いやすさを最大限に改善することに特化しました。またブランド鮮度アップの為、デザインもDr.Oralらしさを残しつつもデザインを一新させ、目新しさや楽しさを感じていただけるように、フレーバー選びにもこだわりました。

〈企画〉プランニング
オリジナリティの創出
今回のリニューアルにおいては、「他社にはない強み。独自性(=オリジナリティ)の創出。」が最大のミッションでした。競合品が増加する中で、より店頭やECサイト、SNS等で魅力と競争力をもった商品にパワーアップさせるために何が必要となるか、それを考え導き出すことが〈企画〉です。アイデアを出すだけでなく、その実現性までを図り、日々の業務の中で様々な取引先様との情報交換、関係構築も重要です。
今回のリニューアルにおいて世界で唯一の独自成分を誕生させることが出来たのは、原料メーカー様との強力な関係性が構築されていたからこそです。営業やEC、広報担当者ともディスカッションを重ね、魅力ある訴求表現を実現し、デザインへする反映するなど、どのように販売し、話題性を生むかを画策することが企画業務となります。

〈開発〉オペレーション
より良いモノを追求する、
開発のこだわり
商品の構成要素は、中身、容器、包装資材、デザインなど多岐にわたります。各要素のタスクを細分化し、発売日から逆算してスケジュールを立てることから始まり、業者選定、仕様決定、コスト算出、生産立会いなど、〈企画〉にて導いた理想を現実の形にすることが〈開発〉となります。
いくつものタスクが同時並行で進行する中で、1つのトラブルや変更が、全てのスケジュールの見直しと変更につながるため、知識や経験、予測や段取り力などのスキルが求められる業務となります。その中でも、今回のリニューアルでは使用感や効果実感、香りと味にもとことんこだわりました。
覚えていないくらい何度も歯を磨き、Dr.Oralブランド全体の効果訴求力の底上げにつながる使用感とフレーバーに至ったと感じています。より良いモノを作るための客観的視点を大切にし、課題や改善点の洗い出し、仮説と検証を繰り返しながら、最適な解決策をスケジュールやコストという制限の中でクリアにしていくことが開発業務となります。

〈販促〉プロモーション
商品の魅力を最大化
~販促プロモーションの裏側~
〈企画~開発〉を経て形になった商品を店頭やECサイト、SNS等で、より魅力的に見せるために、什器デザインやサイトデザイン、商品撮影などについても、営業やEC、PRメンバーとともにディスカッションを重ね、商品情報を発信します。
競合他社に勝る店頭での見栄え、ブランドの持つ世界観、目新しさや楽しさの伝達、商品特長や効果期待などをどう伝えるかが販促プロモーションの要です。市場調査を行い、〈企画~開発〉を進めてきたからこそ商品の魅力、強み、独自性などを伝えるために、撮影現場にも立会い、PR活動に対するアイデアや打ち出し方の立案など、販売や認知につなげることはもちろん、社内外に商品の魅力を理解してもらうことも大事な業務ですので、参画します。
統一感を持ったブランドイメージの発信により、さらなるDr.Oralブランドの認知度向上に繋がるよう、発売後も継続して販促支援に取り組んでいます。

〈今後の展望〉ブランドの成長
つながる声、広がる価値
~進化する商品づくり~
発売後も、日々変化する市場や消費者のニーズに常にアンテナを張り巡らせて情報を集め、商品の情報発信をアップデートさせます。
最新のトレンドや情報に合わせて、社内プロジェクトで販売戦略を立て、店舗やECサイトでのキャンペーン計画が立案されることに伴い、限定販売商品やお試しサイズ、セット商品などを企画、開発することも、商品鮮度やブランド力などにとって大事な業務となります。
リアルなコミュニケーションから生まれる、営業や販売現場からの声、お客様からの問い合わせ、SNSでの反応などすべてが、次の企画開発のヒントになります。長く愛されるブランドに成長させるためにも、常に次の一手を頭に描きながら、より良い商品作りとDr.Oral商品に込めた想いが、一人でも多くの皆さんに届けられるよう社内の各担当者とともに、今後も取り組んでいきたいと思います。